直火
アカマシバル製陶所の「直火対応」はペタライトという鉱物を土に混ぜてつくる土鍋・グラタン皿などです。ガスコンロなどの直火だけでなく、オーブン・グリル・バーナー・炭火・焚き火などの調理に対応しています。
器の「目止め」について
「目止め」とは器をデンプン質でコーティングすることです。水漏れ、ヒビ割れ、におい移りなどを防ぐために必要です。
アカマシバル製陶所の器は素焼きにみえるものも釉薬を施してあるので目止めは必須ではありませんが、「耐火やちむん」は目止めをお願いします。耐火やちむんは、急な温度変化に耐えられるようにするため焼き締めていません。焼き締まっていないので水を通してしまいます。窯から出したばかりの鍋は水を張っておくと時間とともに漏れ出してしまいますが、目止めを行ったあとは一昼夜水を張っても漏れることがなくなります。
目止めの方法
アカマシバル製陶所の耐火やちむんは以下の方法で目止めをお願いします。
初めにヒビが入っていないかよく確認します。水で洗い、底を上にしてしっかり乾燥してください。器に容量の1/5ほどのご飯を入れ、水を九分目まで満たします。フタを開けたまま火にかけ、弱火からゆっくり加熱していきます。土鍋は保温力が高く、火を止めてもすぐに温度が下がりません。吹きこぼれを防ぐため、気持ち先読みする火の加減、ときどきシャモジでかき混ぜる、差し水などで調整しながら火にかけます。沸騰から一時間で火を止め、一晩放置してください。
一晩経ったらお粥を取り出します。私は朝ご飯においしくいただいています。器はタワシで洗い流し、底を上にして乾燥させます。しっかり乾燥したら水をためて水漏れがないか確認します。
※ 水だけ先に沸騰させると水だけ吸水してしまいデンプンの入る余地がなくなってしまいます。同じ理由で塩分も入れないでください。
※ 米の研ぎ汁ではデンプンの量が足りません。上記の方法でお願いします。
※ グラタン皿やピッチャーなども、大鍋の中に入れるのではなく直火にかける目止めをお勧めします。
土鍋などの扱い方
自作の土鍋やグラタン皿を九年間普段使いしてきました。それを踏まえた使い方を書き留めておきます。
気を配ることは主に「急熱急冷」に関することのみです。 濡れたまま火にかけない。しっかり乾かす。弱火からはじめる。冷蔵庫から出してすぐ火にかけない。火から下げて濡れ布巾に置かない。など、急な温度変化が起こりそうなことに気をつけてください。
鍋底から水が滲むようになったら再び「目止め」をお願いします。多少のヒビが入った場合も、目止めをしながら長く使っています。「目止め」の前に「塩抜き」をすると、より効果的です。塩抜きは器や鍋より大きな容器に水を張り、一晩水に浸け置いてください。土が塩分を吸いすぎるとヒビが入りやすくなるので水に塩分を溶かします。長期間使わない場合も収納前の塩抜きをお勧めします。
※ 吸水性があるため合成洗剤はお勧めしません。私は基本的にタワシのみで。油を落としたいときだけ石鹸を使用しています。臭いが気になる場合は茶がら、焦げ落としは酢をご利用ください。
※ タイルなどの硬いところに置くときは敷物をすることで、強い衝撃をうっかり与えてしまうことを防ぎます。
※ 収納するときは底を上にしてしっかり乾燥させます。
※ 保温力がとても高いため、素早い火力調節が必要な揚げ物などには不向きです。
※ 電子レンジ、IH非対応。
土鍋のこと
土鍋は手入れが必要ですが魅力もあります。鍋の素材は、アルミ、ステンレス、ホーロー、ガラス、銅、鉄、土など様々です。それぞれに一長一短があります。私は錆びない、酸性にもアルカリ性にも強い、保温力が高い、体に害がないものを好んでいるため、主に土鍋、ガラス鍋、ステンレス圧力鍋を用途別に愛用しています。
コンロからそのまま食卓へ持っていくイメージでつくりました。フタも鍋敷きやフルーツ皿として使えるようになっています。鍋としてだけではなく、普段使いのいろいろな用途にぜひご活用ください。