MOTIF

うまく言語化できないまま、ぐるぐる渦巻く思いは器になっていきました。まるで会話を楽しむように、食卓を通して響き合う、かけがえのない誰かに出会えますように。これらは十年以上かけて、器から文字に起こしてもらった言葉たちです。

虹架かる

色を活かしあう多様性

点打ちで描いた虹は、点と点、すなわち個と個。隣り合うことで活きる色がある。自分の色を保ちつつ、同調しすぎず、相手の色を立たせて補い合う。「染まらない自由」を、自由と平和の象徴である虹で表した。窯開きの前から描いていた、はじまりの所信表明でもある。

芽吹き

町づくりの種を蒔く

「虹架かる」の「染まらずに活かしあう」から一歩進むと、自分が暮らす土地を考えるようになった。その土地の水や土の恵みを分かち合って生きている。もらうばかりでは枯れてしまう。だから人任せにせず、自らの手で種を蒔く。食物の種、平和の種、共助の種。持ちつ持たれつ。ドットは手を取り合って和になっていくイメージ。

和つなぎ

和を以て貴しとなす

白濁が靄(もや)がかかった感じを表している。靄の中で手探りでも、同じ場所や時代にいなくとも、直接関わりあえなくとも、争わない心があれば、和を以て繋がることができる。そんな思いから生まれた。

ニヌファブシ

光射す方への道しるべ

沖縄の方言で北極星をニヌファブシとよぶ。「てぃんさぐぬ花」の歌詞に「夜走らす船や ニヌファブシ見当てぃ」とあるように、道しるべの星。親方の下で修行していた頃、大きな流れ星を見て、星が落ちたところに希望があるような気がした。そこから、道しるべの星が希望を指し示すイメージをもった。

希望を見失ったとき、自分の中にあった光を改めて見出せたらいい。そんな手助けができたなら。涙の中に一筋の希望が落ちてゆく絵が浮かんだ。ふと器を見て、自分も救われることがある。

木隠れ

掘り下げた先の共鳴

「虹架かる」や「芽吹き」は人との関わり。人と関わるほど自分を知ることになる。自分の色。ドットひとつを拡大していった世界。単色、粗い土、カラーバリエーション。自分を掘り下げて、掘り下げて見えてくるもの。枝葉をかき分けて進んだ先で、地下水脈のように伝わり共鳴する。いつか。誰かと。そんな希望。

FlowerBARD

アカショウビン

子どもが野の草花を摘んでは着せ替える。そんなイメージでひとつひとつ手作りしました。水を入れても入れなくても。なんなら野菜の切れ端でも。想像力で無限に着替える。渡り鳥の棲息地がいつまでも守られますように。願いを込めて。